スタジオジブリのアニメ映画「魔女の宅急便」に登場する絵描きの女の子の名前はウルスラです。
実は、映画の中で名前を呼ばれておらず、原作にも少ししか登場しない謎の多いキャラクターなんです。
そこで今回は、「魔女の宅急便」の絵描きの女の子・ウルスラについて解説していきます。
・ウルスラの正体は未来の〇〇?!
・ウルスラの年齢などプロフィール
・ウルスラの声優
・ウルスラの名言
・ウルスラが劇中で描いた絵のモデル
・ウルスラの名前の由来
・絵描きウルスラの家
魔女の宅急便 ウルスラ:絵描きの女の子の名前や年齢などプロフィール
ジブリアニメ「魔女の宅急便」に登場する絵描きの女の子の名前がウルスラです。
キキがお届けものを落としてしまって偶然知り合った少女ですね。
絵描きの少女 ウルスラの年齢は18歳です。
赤いTシャツにジーンズというラフな格好なので、年齢はキキの2~3歳上かと思ったら5歳も年上でした。
キキは13歳で見知らぬ街で魔女修行、ウルスラは18歳で森の中で画家を目指しているんですよね。
私がキキやウルスラと同年代の時には自立なんて考えてもなかったのですごいなぁと思います。
映画ではキキの成長を描いているので、同世代の少女より進んだ姿を描いているのかもしれませんね。
ウルスラは、夏の間だけ小屋に住んで絵を描いていると言っていたので、住居は別にあるようです。18歳なので両親の住む実家があるのかも。
劇中では、男性と間違われても全く気にしないウルスラの姿がかっこいいです。
自信を失いかけていたキキに、自分に誇りを持つ大切さを伝えるお姉さん的キャラクターと言えるでしょう。
魔女の宅急便 ウルスラの声優は誰?実はキキの声と同じ?!
魔女の宅急便 ウルスラとキキの声優は同じ?!
ジブリ映画「魔女の宅急便」で、絵描きの女の子ウルスラの声優を務めたのは、高山みなみさんです。
驚いたことに、高山みなみさんは、ウルスラとキキの声の一人二役を演じています。
劇中ではウルスラとキキのセリフの掛け合いが印象的ですが、同じ声優さんが話しているとは思いませんでした。
高山みなみさんは、1964年5月5日生まれ、東京都出身の声優です。
今では『名探偵コナン(江戸川コナン)』や『忍たま乱太郎(猪名寺乱太郎)』、『ドラえもん(スネ夫のママ)』など、ベテラン声優として大活躍の高山みなみさん。
『魔女の宅急便』の声優を担当した時は新人時代だったんですよ。
ウルスラとキキの声優を一人で担当した理由は?
当初、高山みなみさんは「魔女宅」のウルスラの声を演じることに決まっていました。
キキの声優が決まらなかったため、高山みなみさんもオーディションに参加。
そして見事にキキ役を勝ち取ったのです。すごいですよね。
新人声優だった高山みなみさんは、ウルスラとキキの2役を演じることには不安があり、ウルスラの声を辞退しようとしたそうですよ。
しかし、宮崎駿監督に「責任は俺が持つ」と説得されて一人二役を引き受けることになりました。
スタジオジブリの映画でも、主要キャラクター2人の声を一人の声優が担当していることはとても珍しいです。
主人公キキとウルスラの2役の声優を一人で演じたことは話題になったでしょうね。
高山みなみさんにとってもその後のキャリアアップになった思い出の作品ではないでしょうか。
魔女の宅急便 ウルスラの心に響く名言・名セリフ
ジブリ映画「魔女の宅急便」で絵描きのウルスラはキキに素敵な言葉(名言)をかけていました!
中でも私の心に響いたウルスラの名言はこちら↓です。
【ウルスラの名言①】
「描くのをやめる。散歩したり、景色を見たり、昼寝したり、何もしない。そのうちに急に描きたくなるんだよ」
出典:スタジオジブリ『魔女の宅急便』ウルスラのセリフ
ホウキで空を飛べなったキキにウルスラがかけたセリフです。
私は普段、デザインを考えたり創作する時にアイデアが出なくなる時があります。
そんな時には、緑の中に出かけたり、ケーキを作ってみたり(これは私が何も考えずリラックスできる瞬間です)、考えることから離れてみます。
そうやって頭の中を一旦リセットするとアイデアが浮かんでくることがあるんですよね。
答えややる気は、リラックスして忘れた頃にやってくる。
ウルスラのように、頑張っても頑張ってもダメな時は休んでみるのも大切だなぁと改めて思いました。
【ウルスラの名言②】
は〜あ、この脚線美が分からないとはね
出典:スタジオジブリ『魔女の宅急便』ウルスラのセリフ
私はウルスラのこのセリフを聞いて、かっこいい!と思いました。
男性に見間違えられて「違うわよー!」と怒るわけでもなく、「私って女性の魅力がないかも」と悲観的にもならなかったウルスラ。
「この私の美しさがわからないなんてねー」と笑い飛ばせる自己肯定感の高さが素敵だと思います。
外観でも内面でも、自分には自分の良さがある。人と比べたってしょうがない。
ウルスラの自分に誇りを持っているところは見習いたいです。
魔女の宅急便 ウルスラの絵のモデル
ジブリ映画「魔女の宅急便」に登場する画家のウルスラが描く絵は、幻想的な雰囲気と色彩がとても綺麗です。
私は最初に見た時に、ロシア出身の画家マルク・シャガールの絵に似ていると思いました。
シャガールは奥さんへの愛に溢れた作品を多く描いているんですよね。
キキを描いたウルスラも、キキへの愛情を表現しているのかな、なんて思ったのです。
そんなウルスラの絵のモデルとなった作品は、実は存在するのです。
ウルスラの油絵のモデルとなった作品は?
ウルスラの絵のモデルとなったのは、八戸市立湊中学校の養護学級の生徒たちが制作した版画「天馬と牛と鳥が夜空をかけていく」(1976年)です。
モデルとなった版画は、ウルスラが劇中で描いている絵と構図やモチーフが非常に似ており、宮崎駿監督自身がモデルとして参考にしたことを認めています。
【モデルとなった作品の特徴】
夜空を背景に、ペガサス、牛、鳥が力強く飛翔する様子が描かれた版画作品です。
キキの顔以外のデザインは、劇中のウルスラの絵とそっくり!
モデルの絵は白黒の版画ですが、「魔女の宅急便」では、青をベースにした油絵調で描かれより幻想的な雰囲気になっています。
絵のモデル「天馬と牛と鳥が夜空をかけていく」は青森県立美術館に所蔵されているので、いつか機会があれば見てみたいですね。
宮崎駿監督が「天馬と牛と鳥が夜空をかけていく」をモデルにした経緯
この作品が選ばれた背後には、教育者であり版画家でもある大田耕士さんが関与しています。
大田耕士さんは宮崎駿監督の奥さま・朱美さんの実の父親であり、宮崎監督からみたら義父にあたります。
宮崎監督は太田耕士さんを通じてこの作品を知り、きっと感銘を受けたのでしょう。
映画の元ネタとして起用することになりました。
青森県立美術館で坂本小九郎先生が指導した作品「天馬と牛と鳥が夜空をかけていく」を含むシリーズ作が展示された際に、このような紹介がありました。
子どもたち自身の手で描かれ・彫られ・刷られる版画の一枚一枚は、そのまま地域社会と子どもたちの成長のひと時を刻むものであり、人がこの土地に在ろうとする意志の一欠片と言えます。
出典;青森県立美術館:コレクション展 2020-1:「春」を刻む 2020年3月20日(金) ━ 7月12日(日)
私は元ネタとなった版画のメッセージは、コリコの街でキキが悩み、成長する過程を描いた魔女の宅急便に通じるものがあると感じます。
私の想像ですが、宮崎駿監督はこの作品に必然的に出会い、メッセージ性を感じ取ったのかもしれないですね。
魔女の宅急便 ウルスラの正体は?未来のキキの姿?!
ウルスラの正体は魔女なのか…?
絵描きのウルスラについて、宮崎駿監督はこのように語っています。
「あの絵描きのお姉さんも魔女だと思うんですよ。カラスをたぶらかして絵を描く。次にはキキもたぶらかして『あんたは美人だよ』とか、いろんなことを言ってね……。そういうところを持っている人を出したかったんですよね」
キキもウルスラも魔女…?!
人は自分にない才能をまるで魔法のように思ったり、魅力的に思ったりすることがあります。
私が思うには、魔女=才能を持つ魅力的な人なんだと思います。
ウルスラのような才能ある魅力的な存在にキキは憧れ成長していくのです。
ウルスラの正体は?未来のキキの姿?!
実は、ジブリ映画「魔女の宅急便」に登場する女性は、未来のキキの姿だと言われています。
ウルスラの正体は未来のキキなんです。
13歳の少女のキキは、18歳で大人になり夢を実現しつつあるウルスラ、26歳で赤ちゃんを授かったおそのさん、37歳で母親のコキリ、そして70歳でニシンパイを宅配したおばぁさんへと成長していくのです。
キキは未来の自分の姿であるウルスラに悩みを打ち明け、アドバイスをもらっていたんですね。
ウルスラや他のキャラクターが未来のキキの成長した姿だと思って映画を見ると、また違った面白さがありますね。
ウルスラのようにキキがお世話になった人物、おそのさんや旦那さんについてまとめた記事はこちら↓です。
魔女の宅急便 絵描きウルスラの家は?
ジブリ映画「魔女の宅急便」に登場する絵描きのウルスラの家は、森の奥深くに佇む小さなログハウスです。
キキが宅配物を森に落としたことがきっかけで、ウルスラと出会います。
ウルスラがキキに励ましの言葉をかけ、友情を育んでいく大切な場所でもあります。
緑豊かな森に囲まれた小さな木造の家は、まるで童話の世界から飛び出したような可愛らしさがあります。
18歳の少女ウルスラが夏の間だけこんなにも素敵なアトリエで暮らしているなんて、創作意欲が湧きそうです。
家の内部は明るく開放的な空間で、絵具や画材、キャンバスなどが所狭く置かれています。
両親と離れて暮らし始めたキキにとって、森の家で一人暮らしをするウルスラの姿は将来の理想として写ったかもしれないですね。
一夏をコリコの森の中の家で過ごした後、ウルスラは両親の住む家に帰るのでしょうか。
それとも画家として旅を続けてまた別の場所で暮らすのでしょうか。
何れにしても、ウルスラの家は、夢を追いかける少女キキにとって理想的な空間と言えるでしょう。
魔女の宅急便 ウルスラの名前の由来
ジブリ映画「魔女の宅急便」で絵描きの女の子の名前はウルスラでした。
しかし、「ウルスラ」の名前は、劇中で一度も呼ばれていないんです。
映画のエンドロールにもウルスラの名前は出てこないし、原作にも出てきません。
それなのに「ウルスラ」という名前が付いていることは不思議ですね。
この「ウルスラ」という名前には、どのような由来があるのでしょうか?
1. 聖ウルスラ
ウルスラは、聖ウルスラというキリスト教の聖人の名前が由来と考えられています。
聖ウルスラは、勇敢な女性として知られています。
2. ラテン語
ウルスラは、ラテン語で「雌熊」を意味する言葉「ursa」から派生したという説もあります。
これは、ウルスラの自由奔放な性格や力強さを表しているっていうことでしょうか。
3. 女性の名前
ウルスラは海外では女の子につけられる名前です。
宮崎駿監督は、特に深い意味を持たせずに「ウルスラ」という名前を選んだ可能性もありますね。
ウルスラという名前の由来は、明確ではありません。
しかし、聖ウルスラの伝説やラテン語の意味合いなどが、ウルスラの自由奔放で夢を追いかける少女、そして力強さを持つ女性というキャラクターに通じるものがあると私は思いますが、皆さんはどう思いますか?
黒猫ジジについてまとめた↓こちらの記事↓もどうぞ。